どこの企業にも存在する「追い出し部屋」は間違いなくキャッシング予備軍を作り出している
「追い出し部屋」という言葉はご存知ですか?
追い出し部屋とは、企業が人員整理をする際に、クビにするのではなく、職場に居辛い環境を作り出すことで、社員を精神的に追いつめ、自ら退職させる手法です。
中小企業と違って、大手企業は簡単に社員をクビにすることができません。
そのため、大手企業では上記のような手法を使って、自主退職に持っていこうとするのです。
実際、私が働いていた会社でも「退職マネジメント」という言葉が、人事では存在していたと言われています。
入社以来、15年間ずっと企画室にいた人間がいきなり営業として駆り出され、厳しいノルマを背負わされ、毎日数字のプレッシャーを与え続られ精神的に追い込まれたり、
元々は部下だった人間の下に降格させられ、元部下に毎日詰められる日々が続くと言ったように、普通の人間では中々堪え難い苦痛を与えることで、自主退職に追い込んでいました。
追い出し部屋の一番の問題点は自主退職を促すこと
追い出し部屋に異動させられると、大体自分はもう必要無い人間なんだと気づきます。
「肩たたきにあう」とも言われますが、人間は自分が必要とされていないことがわかると、とても脆くなってしまい、すぐに退職を決意してしまいがちです。
しかし、すぐに自分から退職してしまうと、企業の思うツボですし、自主退職には大きな問題点があります。
それは、失業保険の給付期間です。
自己都合の場合は退職後4ヶ月は失業保険がもらえない
企業を会社都合で退職する場合と、自己都合で退職する場合では、失業保険をもらえる期間が変わります。
会社都合の場合だと、退職後約1ヶ月で失業保険を受け取ることができますが、自己都合の退職の場合だと、退職から給付までに約4ヶ月に期間が開きます。
退職してすぐに次の就職先が見つかれば問題ないかもしれませんが、次の就職先が見つからなかった時、必ずと言っていい程生活費に困ると思います。
私が運営しているキャッシングのサイトでも、失業や転職関連のキーワードでの流入がよくあるのですが、キャッシングは、利用者の約3割が生活費に困って利用しています。
(参考 : キャッシングの利用者と多重債務者問題の課題)
その中で、失業によって生活費が足りなくなり、キャッシングをしてしまうというケースも少なくないでしょう。
では、もし追い出し部屋に追い込まれた時、どうすれば良いのでしょうか。
意地でも辞めない。辞めるなら転職先が決まってから
私が考える最もリスクの少ない方法は、「自分からは意地でも辞めない」ことです。
どれだけ圧迫を受けても、自分から退職すると言わない限りクビになることはありません。
追い出し部屋に入れられた時点で、もうずっとその会社にいることは不可能だと考えた方が良いので、すぐさま転職活動を始めましょう。
新たな転職先が見つかるまでは何を言われても聞かないか、「クビなら辞めても仕方が無いです」というスタンスを貫きましょう。
リコーが社員に行った追い出し部屋人事で実質敗訴
先日、コピー機大手のリコーが、人員整理のために社員に命令した人事異動が、裁判で無効であるという判決が出ました。
地裁で命令を無効とする判決が出て、控訴審でも判決が覆らない見通しとなったため、経営側と労働者の間で和解が行われたようです。
この裁判から、労働者にとって大きな不利益となる人事異動は、権利の乱用となる可能性が高く、無効になるということがわかりました。
なので、もし追い出し部屋に入れられたという方がこのエントリーをご覧になられていたら、追い出し部屋に入れられたからといって腐って退職してしまうのでは無く、次の転職先が見つかるまでは今の会社を利用して、見つかり次第スパッと辞表を叩き付けてやるくらいしたたかなメンタルを持ちましょう、という話でした。